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工事現場地下のマンホールで全裸で割腹自殺?

田畑作之助ちゃん事件時効を伝える記事の
すぐ下に、ちょっと気になる記事を見つけました。

2日朝、東京新宿区の三光町共同ビル新築工事現場地下3階マンホール内で、
全裸死体で見つかった男の人は、四谷署の調べで、
仙台市生まれ、建設作業員、沼倉貞夫さん(45)とわかった。
同署は自殺と断定した。



前の日の夕刊には、このように書かれていました。

2日午前9時40分頃・・・(略)・・・地下3階のマンホール内で、
男の人が全裸で腹から血を出して死んでいるのを作業員が見つけた。

四谷署の調べでは、下腹部を横に7センチ切った傷があり、
死体のすぐそばに血のついた刃渡り20センチのカッターナイフがあった。

マンホール内に男の人が着ていたらしいジャンパーとズボン、
腕時計、メモ帳、たばこなどがあった。
35~40歳で、土木作業員風。

同署の調べでは、死因は腹部を切ったことによる失血死と見られるが、
腹部にためらい傷と見られる傷が数ヶ所あり、
死体の状況から自殺の線が強いと見られる。



俄には信じがたいと思いませんか?

仮に人生に絶望して、自ら死を選ぶにしても、
まだ寒い早春に、服をすべて脱ぎ捨てて
工事中のビルの地下3階、下水の臭いが立ちこめるマンホール内で
カッターナイフで下腹部を切るでしょうか?


実は、日本で変死体の解剖率は、
現在でもおおよそ10%にすぎません。

警察官の検視で事件性なしと判断され、
自殺・事故として処理される殺人被害者も多い
と推測されています。

大相撲力士暴行致死事件においても、
当初は単なる病死として処理されようとしていました。
その事件に関して、ロサンゼルスタイムズ紙は
元警察官の犀川博正氏の言葉を引用しながら
日本の検死制度の不備を批判しています。

"You can commit a perfect murder in Japan because the body is not likely to be examined," says Hiromasa Saikawa, a former member of the Tokyo Metropolitan Police security and intelligence division. He says senior police officers are "obsessed with statistics because that's how you get promotions," and strive to reduce the number of criminal cases as much as possible to keep their almost perfect solution rate.

Japan's annual police report says its officers made arrests in 96.6% of the country's 1,392 homicides in 2005.

But Saikawa, who says he became disillusioned by "fishy" police practices and in 1997 left the force in disgust after 30 years, claims that police try to avoid adding homicides to their caseload unless the identity of the killer is obvious.

"All the police care about is how they look to people; it's all PR to show that their capabilities are high," Saikawa says. "Without autopsies they can keep their percentage [of solved cases] high. It's all about numbers."

...

In the West, autopsies are performed to determine the cause of death. That is one reason the autopsy rate for people who die in hospitals has fallen in most Western countries: Improved medical diagnostics has removed much of the uncertainty about why a patient died.

But in Japan, investigations are not as concerned with uncovering the cause of death as with whether a crime has been committed. Without obvious signs of homicide, police are less likely to ask for an autopsy.

That applies to investigations of apparent suicides.

Japan has one of the world's highest suicide rates, accounting for more than 30,000 deaths a year, but police request "almost no autopsies on suicides," which could determine whether the cause of death is what it appears, Saikawa says.

Many police examinations of the body are cursory, he alleges, sometimes nothing more sophisticated than a visual examination.

Take the case in January 2006, when financial advisor Hideaki Noguchi was found dead in an Okinawa hotel with knife wounds. Noguchi was a close associate of Takafumi Horie, the brash founder of the Internet company Livedoor, which had just been the target of a nationally televised police raid and seen most of its multibillion-dollar value evaporate.

But despite being a central figure in a sensational criminal investigation and privy to Livedoor secrets, police declared Noguchi's death a suicide. They did not ask for an autopsy, and the body was cremated.

Or take the suicide in April of Agriculture Minister Toshikatsu Matsuoka, who was found hanged in his Tokyo apartment. Matsuoka was embroiled in a scandal involving the misappropriation of political funds that suggested a broad system of organized influence peddling. Even though Matsuoka's troubles were destabilizing the government and his death occurred just hours before his scheduled appearance to answer questions before a parliamentary committee, no autopsy was conducted to ensure that he had not died from something other than hanging.

A day later, Shinichi Yamazaki, a businessman implicated in the same scandal, plunged to his death in a parking lot outside his Yokohama apartment. No autopsy was conducted in that case either.

"The police said it was suicide," says an incredulous Saikawa, "because he had left his shoes placed neatly together on the balcony."



(要訳)
「日本では完全犯罪を遂行できますよ。
遺体が調べられることはまずありませんから。」
と犀川氏は言う。
警察幹部は昇進のために、犯罪発生件数をできるだけ少なく見せかけようと、
犯人の身元が明らかでないかぎり殺人事件として扱うことを避けがちだ、
と犀川氏は主張する。
「警察は住民からどう見られているかということばかり気にしています。
遺体を解剖しないことで、高い検挙率を維持できるのです。」

・・・

西洋では死因究明のために解剖が行われるが、
日本では死因究明より犯罪性の有無に捜査の関心が払われる。
明らかな他殺の徴がなければ、警察はほとんど解剖を依頼しない。

それは自殺でも同様である。日本は自殺率が高い国であるが、
警察が自殺で解剖をすることは皆無に近く、検死はぞんざいだ
と犀川氏は言う。
ライブドア事件のキーパーソン野口英昭氏も、
談合事件の渦中にあった松岡利勝農水大臣や山崎進一氏も、
警察は解剖せず自殺と判断した。
「バルコニーに靴がきちんと揃えてあったから、
山崎氏は飛び降り自殺したのだ、と警察は判断したんです。」



このように、簡単に自殺と判断する日本の警察には
不信感を抱かざるをえません。

変死体の死因究明制度の充実を願うところですが、
それには私達が、検挙率の低下を即悪いことと受け取らない
冷静な判断力を持つことも重要になるのでしょうね。


もっとも、沼倉さんが自殺という判断が疑わしいからといって、
他殺だったという証拠もありません。
いまさら検証することも困難でしょう。

自殺であったにせよ、他殺であったにせよ、
このような亡くなり方が人間の尊厳からかけ離れている
ということだけは確実に言えます。
さぞ無念だったことでしょう。


ひとつ気になる点は、「仙台市生まれ」という表現です。
このような記事では故人の現住所が書かれ、
出身地は特に記載されないのが通常だからです。

農閑期の出稼ぎ作業員だったのでしょうか?
あるいはホームレスだったのでしょうか?
失業や貧困あるいは暴力に晒されやすい環境だったのかもしれません。


沼倉さんが地下マンホールで亡くなってから数ヶ月後、
新宿駅を挟んだ西口で、人気俳優の沖雅也さんが、
京王プラザホテルの屋上から飛び降り、自ら命を絶っています。
(2011/12/20 小修正)
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